Cサイトで成功するためには、ユーザーに商品の魅力が伝わる商品画像を作成することが不可欠です。商品画像は顧客の購入意欲に大きな影響を与え、売上アップにつなげることもできます。
EC担当者の中には、「商品撮影のコツが分からない」「加工方法や画像の推奨サイズが知りたい」という方もいるのではないでしょうか。
この記事では、ECサイトで売れる商品画像の撮影や加工方法のポイント、最適な画像サイズなどについて解説します。
コンテンツ
ECサイトの商品画像を重視すべき理由
ECサイトでは実店舗のように、直接商品を手にとることができません。そのため、画像やテキストを用いて商品の魅力を伝える必要があります。
十分な商品画像がなければ、購入を決断するための情報が不足し、消費者の購入意欲を削いでしまう原因にもなりかねません。
また、テキストでは説明しにくい具体的な商品の使い方も伝えられるため、利用シーンを想起してもらいやすく、購入につながりやすくなります。
ECサイトの商品画像の撮影前に準備すること
ここからは、ECサイトの商品画像を撮影する前に準備しておくことを紹介します。
ガイドラインを事前に確認する
Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのECモールでは、商品画像に関するガイドラインが定められています。
自社ECサイトではなく、ECモールに出品する場合は必ずチェックしておきましょう。
ガイドラインでは、以下のようなものがあります。
▼Amazon(※一部抜粋)
画像の85%以上を商品が占める必要があるメイン画像の背景は純粋な白を使用する画像の長辺は10,000ピクセルを超えない |
▼楽天市場(※一部抜粋)
テキスト含有率は全体の20%以下画像に外枠を付けない背景は単色の白または写真背景 |
▼Yahoo!ショッピング(※一部抜粋)
テキスト含有率は全体の20%以下背景は単色の白または写真背景メイン画像にGIFは使用不可 |
ECガイドラインに違反すると、検索対象外になったり、出品停止になったりとペナルティを受ける可能性があるため注意が必要です。
どんな写真を撮影するか決める
商品撮影前に、どのような写真が必要かを検討しましょう。
商品画像で用いる写真は、「ディティール写真」と「イメージ写真」の2種類があります。
ディティール写真とは、商品の色や形、質感などが伝わる写真のことです。写真の全体像だけでなく、ポケットや持ち手などの細部も写します。
イメージ写真とは、実際に商品を利用しているシーンを写したものです。全身のコーディネート姿や使用感など、モデルを起用して撮影することで購入後のイメージが湧きやすくなります。
ディティール写真とイメージ写真はそれぞれ訴求ポイントが異なるので、どちらも用意しておくことで、商品の魅力が伝わりやすくなるでしょう。
ECサイトの魅力的な商品画像を撮影するコツ
次に、ECサイトの商品画像を撮影するコツについて解説します。
自然光を取り入れる
商品を撮影する際に重要となるのが「光」です。光の強さや色味、方向によって商品の印象は大きく変わります。
実物に近い色味や雰囲気を演出するためには、自然光をメインに使ったライティングがおすすめです。撮影時間は、柔らかい光が射す午前から正午がベストです。
窓際など光が入る場所で撮影すれば、陰影が柔らかくなり、商品のディティールがはっきり見えるようになるでしょう。光の強さは白いレースなどで調整するのがおすすめです。
背景や小物を用意して演出する
商品を魅力的に見せるために、背景や小物を工夫することも大切です。メイン画像の背景は白が基本ですが、それだけでは商品の魅力を十分に引き出せないこともあります。
高級品の場合は、黒い背景を使って高級感を引き立たせたり、ギフト用では梱包した商品を撮影するなど、商品の特徴ごとに背景や小物を配置するのが効果的です。
ただし、あくまで主役は商品なので、商品が悪目立ちしたり、存在感が埋もれてしまうことがないよう注意しましょう。
構図やアングルを工夫する
商品の魅力を引き出すために、構図とアングルを工夫して撮影することも重要です。
下記では、アングルと構図の例を紹介します。
▼カメラアングル
ハイアングル | 高い位置から見下ろすように撮影する。商品の全体感が伝わりやすい。 |
水平アングル | 被写体に対してカメラを水平にして撮影する。被写体と同じ目線で撮影するため、サイズ感を伝えやすく安定感のある写真になる。 |
ローアングル | 低い位置から見上げるように撮影する。ダイナミックな雰囲気を演出できる。 |
▼イメージ画像の構図
日の丸構図 | 写真の中心に商品を配置する。シンプルで最も商品が目立ちやすい。 |
水平アングル | 写真の縦横を3×3で分割したときに、4つの線が交わる位置に商品を配置する。バランスが良く安定感が生まれる。 |
ローアングル | 対角線に沿って商品の角度を調整したり配置したりする構図。奥行きや躍動感が表現できる。 |
ほかにも商品とカメラの距離など、工夫すべきポイントはさまざまです。
すべての写真を同じように撮影するのではなく、商品が魅力的に映る構図やアングルを探りながら撮影しましょう。
長期的に商品を販売する場合は、プロのカメラマンに外注するのも一つの手です。
ECサイトの商品画像の加工方法
続いて、商品画像の基本的な加工方法について解説します。
トリミング・サイズ変更
写真の不要な余白を取り除き、商品を引き立てるためにトリミングを行います。ECサイトのデザインや推奨サイズに合わせて、適切な画像サイズに変更することも大切です。
ECモールやシステム別の推奨サイズは下記の通りです。
ECモール・システム | 推奨サイズ |
Amazon | 1600px ×1 600px |
楽天市場 | 700px × 700px |
Yahoo!ショッピング | 600px × 600px |
BASE | 1280px × 1280px |
Shopify | 2048px × 2048px |
STORES | 920px × 920px |
ただし、サイズ変更やトリミングは元の画像品質を損なわないよう注意が必要です。高解像度の画像を使用し、サイズ変更時にも品質が維持されるように工夫しましょう。
明るさや色味の調整
商品の鮮明さや実物に近い色合いを保つために、明るさや色味を調整します。
明度、鮮度、コントラストなどを調整すれば、商品のディテールが際立ちます。また、色味を正確に再現するためにホワイトバランスやカラーバランスを調整することも効果的です。
ただし、過度な調整によって、実物とイメージの乖離が起こる可能性があるため、自然な印象を保つよう心がけましょう。
文字入れ
商品画像に文字を入れることで、価格、商品名、特徴などの情報をわかりやすく伝えることができます。
文字の配置やフォント選びに注意し、商品と自然に馴染むように工夫しましょう。また、テキストの色や背景のコントラストを調整して、読みやすさを確保することも大切です。
ただし、文字が商品の主役を引き立てるようバランスを取ることを忘れないでください。
商品画像ガイドラインによっては、画像に対するテキストの占有率が規定されている場合もあるので注意しましょう。
画像加工ツール
商品画像を加工するツールはいくつかあります。以下では、無料で使える画像加工ツールを紹介します。
Canva | さまざまなデザインテンプレートや素材が用意されている。無料版では200万点以上の写真・素材を使用可能。有料版では1億点以上。 |
PhotoShop Express | Adobeが提供するモバイル向けの画像加工アプリ。編集、レタッチ、コラージュ、Mixの機能が使用可能。 |
Fotor | 幅広い画像加工機能を持ち、直感的な作業ができるデザインツール。ブラウザ・アプリで使用可能。 |
無料ツールでも十分に魅力的な商品画像を作成できるので、まずはこれらの無料ツールを利用してみましょう。
ECサイトで売れる商品画像を作成しよう
実際に商品を手に取ることができないユーザーにとって、商品画像は重要な判断材料となります。商品画像の良し悪しは売上に直結するとも言えるでしょう。
今回紹介したポイントを参考に、思わず購入したくなるような魅力的な商品画像を登録して、ECサイトの売上アップにつなげていきましょう。
また商品画像を複数用意して、A/Bテストを実施することも大切です。どの画像がユーザーにとって魅力的かを分析してみてください。