メルマガの開封率は、その効果を測るための重要な指標の一つとなります。今回は、算出方法などの基礎的な知識を説明し、開封率をアップさせるポイントについてお伝えします。
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メルマガの開封率とは
メルマガの開封率とは、配信したメルマガがどのくらいの読者に開封されたのかを表す割合です。メルマガは、開封されなければその目的が達成できず、期待する効果を生み出すこともできません。そのため、開封率はメルマガがきちんと作用しているのかを知ることができる、必ず把握しておきたい指標と言えるでしょう。
開封率の計算方法
開封率を算出する計算式は、以下のようになります。
開封率=開封総数÷有効配信数
開封されたメルマガの総数を有効配信数(総配信数からアドレス変更や宛先不明などで届かずに返ってきた数を引いた数)で割ると、メルマガ開封率の数字が算出されます。
ここで気づいた方もいらっしゃると思いますが、開封率を知るためには必ず開封総数のデータが必要となってきます。開封総数を把握して開封率を算出するためには、必ずメルマガ内に画像などを用いた開封計測ができるタグを埋め込み、どのくらいの読者が開封したのかデータを取得します。そのため、メルマガの開封率を算出するためには、HTML形式でのメルマガ制作が条件となります。Google Analyticsのタグを挿入して計測する方法もありますが、この場合も同じくHTMLに挿入する形となります。
テキスト形式でも、メルマガ内のURLクリック率を開封数とみなして開封率を算出する方法がありますが、正確性が下がってしまうため、開封率からメルマガの効果を知りたい場合はHTML形式でのメルマガ制作をおすすめします。
メルマガ開封率の平均値
ひとえにメルマガの開封率と言っても、参考するべき平均はメルマガの業界などによって異なります。「メルマガ開封率の平均は通常●%です」などの指標を参考にしても、業界によってはなかなか開封されにくいケースがあるのも事実なので、業界別の数字を参考にする方が良いでしょう。下記の表は、Mailchimpが発表した2018年の業界別メルマガ開封率です(https://mailchimp.com/resources/email-marketing-benchmarks/)。
開封率をアップさせる6つのポイント
あなたのメルマガの開封率が思うような数字ではない場合、すぐに諦めないでください。対策次第で改善することが可能です。
以下では、開封率改善のための対策ポイントをいくつかお伝えしています。今すぐ取り組むことができる項目なので、是非次のメルマガから試してみてください。
1.クリックしたくなる件名を考える
件名は、メルマガを受信した際に、差出人と同じく読者が一番初めに見る部分です。件名がそのメルマガを開封するかどうかを大きく左右してしまうと言っても過言ではありません。
読者の好奇心を高め、思わずクリックしたくなるものが良いでしょう。件名を最適化するためのポイントは、以下の6つの項目をチェックしてみてください。
・具体的な数字・名詞を含める
「全品30%オフ」「最大5000円引き」「6月末まで」「関西地区限定」「LTVを高める」など、具体的な数字や名詞が含まれていると、読者はこのメルマガの中身をイメージしやすくなり読者を惹きつけます。ただし、事実と異なる誇張表現などは避けましょう。
・文字数が多くならないよう気をつける
件名が長すぎると、開封前のプレビューで途切れてしまうだけでなく、読者がタイトルから内容を把握するのに時間がかかってしまいます。
短めでわかりやすい件名の方が、クリックしてもらえる確率も上がります。
・顧客のニーズと合致しているか確認する
まずは、メルマガ読者のニーズをしっかりと把握しましょう。その上で、今のメルマガの件名がそのニーズを満たしたものになっているのかどうかを判断します。
読者が件名を見て必要な情報だと判断すると、そのメルマガは開封されるでしょう。このことから、ニーズと件名の合致は非常に重要なのです。
・一目みてイメージできるかどうかを軸とする
件名が一目見ただけで「お得な情報だ」「知りたかった情報だ」ということが読者に伝わるかどうか、客観的にチェックしましょう。読者がメルマガを開封するかどうかを判断する時間は、そう長くありません。
・キーワードを含む
意外なことに、メルマガのテーマに関連するキーワードが含まれていない件名をよく見かけます。キーワードが含まれている場合、上記の「一目みてイメージできるかどうか」という項目もパスできるでしょう。
・A/Bテストを行う
実は、メルマガの件名もA/Bテストを行うことが可能です。
配信リストを2つに分割し、用意した2種類の件名をそれぞれに割り当てて同じタイミングで配信し、各リストの開封率を測定します。
配信リストの分割については、状況を見て全体的に分割して行うか、一部を分割してテスト配信するのかを決めましょう。
2.コンテンツの最適化
基本的なことかもしれませんが、コンテンツの充実は購読解除率を抑制するだけでなく、次回のメルマガ開封率に繋がります。
「お得な情報である」「詳しい情報である」というだけでは、読者の心に響かないかもしれません。
以下は、コンテンツを見直すのに重要な3つのポイントです。
・新鮮度
メルマガで届けられる情報は、新鮮度が大切です。既に出回り尽くしている情報ばかりであったり、目新しさが無ければ、読者はそのメルマガをわざわざ開封する必要がないと感じてしまうかもしれません。反対に、どのようなテーマであっても新しい視点や情報を盛り込むことで、そのメルマガの新鮮度はアップします。
・視覚的な楽しさ
メルマガを開封した際に、どのようなレイアウトが浮かび上がってきますか?極端に淡白であったり派手すぎる場合は、少しずつ調整してみましょう。テキスト形式を採用している場合でも、構成ごとにしっかり分けることで、メリハリのある見栄えの良いメルマガを制作することができます。
・読者へのメリット(プレミアム感)
何と言っても、メルマガの内容が読者にとってメリットのあるもので無ければ、開封率が次第に低くなってしまう恐れがあります。読者があなたのメルマガを購読している目的を理解し、その期待に答える感覚で書いてみましょう。
3.セグメント配信のアップグレード
「開封されやすい時間帯や曜日を狙って配信しましょう」
「年齢層や職業などから分類して、メルマガを各方面ごとに最適化しましょう」
このようなアドバイスを目にしたことはありませんか?
確かに、開封されやすい時間帯や曜日などは傾向としてあるため、その時間帯に配信することで開封率の上昇は見込まれます。
しかし、既にこのような対策に取り組んでいるのにも関わらず、開封率が伸び悩んでいる場合は、更に個人に合わせた最適化を行うことをおすすめします。
例えば、Aさんは20~21時にメールを開封する傾向にありますが、Bさんは9~12時にメールを開封する傾向にあるとします。各個人のデータに合わせてメルマガ配信することができれば、開封率はもっと上昇します。
また、コンテンツの最適化も一つの方法です。
各個人の好みに合わせた内容を提供できれば、読者のニーズへの正確な対応が可能となり、読者はあなたのメルマガを積極的に開封するようになります。
4.迷惑メールリスト対策
せっかくのメルマガが、何らかの原因によってメールサーバーより「迷惑メール」と判断され、迷惑メールフォルダに配信されていた場合、開封されないまま流れてしまう可能性があります。このような事態はもちろん、開封率に大きく影響してしまいます。
では、迷惑メールフォルダ行きを防ぐためには、どのような対策ができるのでしょうか?
・配信リストの見直し
メルマガを購読しているユーザー(読者)のリストは、定期的に見直すことをおすすめします。リストを見直し、ターゲットとメルマガの内容にギャップが無いかを確認し、更にもう使われていないアドレスなどは整理しましょう。
・スパム関連キーワードを使用しない
スパムメールなどでよく使われる、煽り文句のようなキーワードはできる限り使わないようにしましょう。「稼げる」「当選しました」などのキーワードを繰り返すことによって、迷惑メールと認識されてしまいます。どうしても使う必要がある場合には、頻度に気をつけましょう。
・SPF(Sender Policy Framework)の設定
SPFとは、なりすましメール対策検査の仕組みであり、差出人のメールアドレス(ドメイン)が詐称されていないかどうかを認証することができます。SPFの設定が無ければ、受信拒否される可能性も高くなってしまうため、メルマガ配信を行う場合には必ず行なっておきたい対策です。
・DKIM(DomainKeys Identified Mail)の設定
こちらも、送信者がなりすましや改ざんであるかどうかを確認する技術であり、簡単に説明すると送信側の電子署名を受信側が照合する形で検証する仕組みとなっています。SPFやDKIMは、少し手間のかかるように思える設定ですが、なりすまし防止と到達率向上の両方を対策できるため、設定しておくことをおすすめします。
・購読解除導線の設定
メルマガの配信において明確な購読解除の導線を設定しておくことは、「特定電子メール法」にて定められています。購読解除の導線が明確でなければ、メルマガを購読解除したい読者が直接あなたのアドレスを迷惑メール設定してしまうため、メールサーバーがあなたのドメインを迷惑メールであると認識します。このケースが増えることによって、本来購読を継続したい読者の元にも迷惑メールボックスにメルマガが届いてしまう事態が発生します。
これらは、迷惑メール判定されないための基本的な対策となります。
あなたのメルマガが、内容に問題は無くても一度迷惑メールと判断されてしまうと、その後元に戻すことは容易ではありません。
メルマガ配信にあたっては、必ず早めに対策することをおすすめします。
5.差出人名の工夫
メルマガの差出人名は、件名と共にまず読者の目に入る項目の一つです。ここには、メルマガ配信元の企業や担当者の名前などを設定しておきましょう。
企業名を設定すればメルマガの配信元が一目でわかり、担当者の個人名を設定すれば私信のように見えるため読者の目に止まりやすくなります。メルマガのタイプや状況によって使い分けましょう。
6.各デバイスへの最適化
現代では、様々なデバイスを使ってメールが確認できるようになっています。
読者がいつもメルマガをチェックするために利用するデバイスにて、メルマガが正常に表示されない場合、次回から開封しないようになってしまうかもしれません。
パソコンでの閲覧を予想している人が多いと思われますが、スマホやタブレットでも閲覧されるケースが多いため、それらのデバイスにも対応できるレイアウトで配信する必要があります。
各種デバイスへの対応は、HTML形式でのメルマガ制作が便利です。テキスト形式の場合は、スマホのメールアプリから閲覧しても問題が無いか確認しましょう。
ただし、フィーチャーフォンやスマートフォンでもSMS宛ての場合はHTML形式のメールが表示できない可能性があるため、配信リストを分析して形式を選択することをおすすめします。
最後に
いかがでしたか?メルマガ配信を行う場合は、できる限り開封率をチェックして、次の配信に生かすことをおすすめします。また、メール配信ツールを使用することによって開封率の把握が楽になるだけでなく、開封率アップへの対策も取り組みやすいという利点があります。awoo mail(mail/LINE)は、これまでのデータを元にメルマガやLINEを個人に合わせて最適化する機能を始めとした、より効果的なメルマガ/LINEを配信するための機能を強化しています。ご興味をお持ちの際は、是非お問い合わせください。