SNSなどが発達した現在でも、メルマガはマーケティング方法の一種として根強く支持されています。メルマガを始めたいけど基本的なことがわからない、基本的な知識を改めて復習したいという方に向けて、本記事ではメルマガの基礎知識についてまとめました。
コンテンツ
メルマガとは?
メルマガとはメールマガジンの略で、企業や個人、Webサイト運営者などから定期的に送られてくるメールのことを指します。雑誌のように定期的に発行されることから、電子マガジンのような役割を担っています。
メルマガはメールマーケティングにおける手法の一種であり、基本的には読者が自ら希望して配信登録を行い、読者が解除するまでは継続して配信される仕組みです。
メルマガとステップメールの違い
メールマーケティングの中には、よくメルマガと混同されるステップメールという手法があり、メルマガとは異なる役割を果たしています。
ステップメールとは、ユーザーの特定の行動を起点として、予め準備しておいたメールが自動的に送信されるシステムです。(例:資料ダウンロードのお礼メールなど)
ステップメールの内容は、基本的にユーザーがその時点で必要とするお知らせや情報がメインであり、通常はユーザーの行動に伴って配信が開始され、準備しておいた時系列のメールが全て配信完了した時点で完結するため、このような点でもメルマガとは異なる性質を持っています。
それでは、以下よりメルマガの目的や基礎知識などを見ていきましょう。
メルマガ配信の目的とは?
なぜ多くの企業や個人が積極的にメルマガを配信するのでしょうか。メルマガ配信の目的は、大きく分けて以下の3つに分類できます。
1.販売促進のため
特にBtoC企業のメルマガで多く見られるのが、販売促進を目的としたメルマガです。
自社の商品やサービスを購入してもらうことを目的に、メルマガを通してキャンペーンやセールの情報、新製品の案内、クーポンの発行、セミナーやイベントの情報などを発信します。
例えば、ある家電量販店がオンラインショップ上にて期間限定のセールを企画していたとします。できるだけ多くの人に購入してもらいたいと考えた時、宣伝方法の一つとしてメルマガを利用し、顧客にセール情報を伝えます。このような販促メールはみなさんも受信したことがあるのではないでしょうか?
もちろん、販促目的のメルマガはBtoCのみならずBtoB企業も発信しています。
販売促進目的のメルマガには、消費者の商品やサービスの購入を後押しする作用がありますが、一方で注意しなければならない点もあります。
商品売上を伸ばす効果があるからといって、頻繁に発信したり、押し売り感が強く出てしまった場合、読者にしつこいと感じさせてしまい購読解除されてしまうことがあります。
顧客がコンテンツに対して有益と感じるかどうか、販促目的のメルマガ頻度が高くなりすぎていないかなど、定期的に見直しましょう。
2.知識・情報の提供
自社の業界に関わる専門的な知識や情報を提供することも、メルマガ用途の一つです。
例えば、保険会社のメルマガを購読しているとします。メルマガの用途を保険商品の販促や見直しの喚起などのみに絞らず、保険に関する豆知識や、病気・ケガ時に必要となる知識などをわかりやすく伝えるメルマガを送信することによって、読者はそのメルマガに価値を感じるようになります。
また、正しく有益な情報を伝えることによって、配信側への信頼感が生まれ、長い目で見て自社の製品に興味を持ってもらうきっかけを増やすことにも繋がります。
3.顧客のLTV最大化
メルマガ配信は、LTV(Life Time Value、顧客生涯価値)を高めるためにも有効です。
LTVとは、簡単に説明すると顧客が企業と関係している間に、その企業にもたらす利益の指標です。
既に自社の商品やサービスを購入したことのあるお客様が、一回きりではなく、その後も継続して商品を購入してもらうことを目的に、メルマガ配信を行います。
メルマガをLTV最大化に繋げるためには、その内容を常に最適化していかなければなりません。
・古い情報やよくある知識のみを提供していないか?
・販促目的の内容ばかりを配信していないか?
このようなチェック項目を設定し、定期的に確認する必要があります。
これからメルマガ配信を始める場合は、読者にとって価値のある内容を長期に渡って提供し続けるために、事前にしっかりと計画を立てておきましょう。
また、既にメルマガ配信を実施している場合は、もう一度過去のメルマガと既存の計画を見直すことをおすすめします。
メルマガを始める前に知っておきたい4つの基本知識
メルマガの目的を理解したら、次にメルマガの配信に伴う基本知識を確認していきましょう。
配信ステップ
1.企画
メルマガの企画は、メルマガを効果的なマーケティング活動にするかどうかを分ける非常に重要な段階です。また、綿密に企画を練っておくことで以降のメルマガ配信作業がスムーズになります。
企画段階では、まずメルマガを「誰に配信するのか?」(ターゲット)、「何のために配信するのか?」(目的)、「どのような形式で配信するのか?」(形式決定)、「どのような内容を構築するのか?」(ネタ探し、資料集め)といったことを決めていく必要があります。
特に、ターゲットと目的については熟考する必要があります。この部分が曖昧なままでは、メルマガの効果が薄れてしまうだけではなく、継続した配信が難しくなってしまいます。
十分なネタを提供することができるのか、資料は十分に存在するのかなど、様々な方面から検討してみましょう。
2.制作
メルマガの企画が整ったら、本格的にメルマガの制作に取り掛かりましょう。
まずは内容の構成(骨組み)を決めてから書き始めると、スムーズに書き進めることができます。コンテンツを書き終えたら、必要に応じて装飾などの工夫を付け加えます。
この段階で注意しておきたいのは、基本的に件名は最後に決めた方が良いということです。コンテンツができてから全体を俯瞰して、そのメルマガで伝えたいことを再確認し、開封したくなるような文言を完成させましょう。
また、メルマガを制作するにあたっては、必ず守らなくてはならない「特定電子メール法」が存在します。制作しているメルマガが違反していないか、しっかり確認しておきましょう。
3.配信
いよいよ配信の段階までやってきました。しかし、いきなり本番配信することは必ず避けましょう。
実際に読者へ向けて配信する前に必ずテスト配信を行なって、パソコンとモバイル端末両方で内容に不備はないか、装飾が乱れていないか、重要事項の表記漏れはないかなどを確認します。
テスト配信で問題が無いことを確認できたら、読者へ向けて本番配信しましょう。
4.分析
配信が完了したら、その結果を測定して分析する必要があります。開封率やクリック率などの項目を確認して結果が予想を下回った場合、原因は何か、どのように改善するべきかなどを考え、次のメルマガ配信に活かします。
タイプ別に選ぶ、メルマガの形式
メルマガには、2種類の形式があり、目的やパターンに応じて選ぶ必要があります。
・テキスト形式
テキスト形式は、メルマガを文字のみで構成する形式です。そのため、装飾やレイアウトなどは文字のみでの表現に限られて派手なビジュアル表現はできません。こういった特徴から、商品の紹介やセール情報を配信したい場合などにはあまりおすすめできない形式です。しかし、文字だけで表現ができることから、特別なツールなどが無くても始められる点や誰でも取り組みやすい点などのメリットもあります。
・HTML形式
HTML形式は、画像を入れたり様々なレイアウトを試したりできる形式です。近年では、この形式を採用したメルマガが多く見られるようになってきました。様々な効果を付け加えることが可能であるため、読者の視覚に訴えることができます。ただし、デメリットとして受信側の環境によっては表示できない問題が発生したり、最初は制作に時間がかかってしまう可能性があります。また、あまりに派手な装飾を加えることによって重要なポイントがわからなくなってしまうことも。バランスを考えた内容にするため、制作後は入念にチェックしましょう。
メルマガ配信方法
・BCCで配信する
どのようなタイプのメールシステムでも利用できる機能として、BCCがあります。BCCとは、ブラインドカーボンコピー(Blind Carbon Copy)の略であり、同じ内容のメールを複数の相手に送信することができ、受信者は配信する他の宛先やTOに入力した宛先の受信者を見ることができない仕様となっています。BCC欄にメルマガ購読者のアドレスを入力することによって、メルマガ配信が可能になります。
ただし、気をつけなければならないのは、誤ってCC(カーボンコピー、Carbon Copy)にメルマガ購読者のアドレスを入力してしまった場合、受信者は他の購読者のアドレスを見ることができるため個人情報漏洩となります。
更に、受信ブロックされやすい、受信元のプロバイダなどに迷惑メールだと判断されやすい、開封率の確認が難しいなどのデメリットも存在するため、メルマガ配信の手法としてはあまりおすすめできません。
どうしてもBCCでの配信を選択しなければならない場合は、上記の事項に気をつけて、基本的に購読者数が小規模の場合に限った方が良いでしょう。
・メール配信専門ツールを利用する
手軽にメルマガを配信したい場合は、メルマガ配信ツールの利用がおすすめです。
多くのツールで、メルマガの制作と配信機能だけではなく、配信時間の指定や配信したメルマガの効果測定、メルマガ購読フォームの作成など様々な機能が提供されています。メルマガ制作における手間を大幅に省くことができるだけではなく、初心者でも効果的なメルマガの配信が可能となります。
更に、機能性の高いメール配信専門ツールの場合、勝手に迷惑メールに振り分けられてしまう可能性を軽減することができるため、購読したはずのメルマガが届いていないという現象を避けることができます。
現在、無料から有料まで様々なメール配信専門ツールが提供されているため、用途や目的に適したツールを利用するのが良いでしょう。
ただし、無料のメルマガ配信ツールは広告が入ることがほとんどなので、企業単位でメルマガを配信する場合は、やはり有料のツールを利用することをおすすめします。
・マーケティングオートメーションを利用する
マーケティングオートメーション(以下:MA)とは、企業のマーケティング活動において、コストや時間のかかる様々な作業を自動化するツールのことです。MAを利用することによって、リードの管理やウェブ上におけるマーケティング活動の効率化を図ります。
現在多くのMAにメルマガ配信機能が搭載されており、メルマガの作成や配信、効果測定ができるだけではなく、リード管理を一元化してオンライン・オフライン両方の行動履歴を管理できる機能や自社ウェブサイトにおけるユーザーの行動履歴の把握機能が活用できます。
自社の規模やマーケティングの方向性などを加味し、メルマガ配信専門ツールと比較した上での導入をおすすめします。
法律に気をつける
ここまで、メルマガの基本的な知識と流れについて説明してきました。
企画から制作、配信に至るまでの一連の流れが掴めたのではないかと思います。
最後に、メルマガを配信するにあたって必ず守らなければならない「特定電子メール法」という法律についてご紹介します。
基本的にはほぼ全ての商用メールがこの法律の対象となっているため、メルマガを配信する際には必ず理解して遵守する必要があります。
特定電子メール法に関する要点は以下が挙げられます。
・商用メールは基本的に事前に受信を同意した人にのみ送信が可能である
・名称、住所など送信元の情報の明確な記載
・問い合わせ対応ができる電話番号、電子メールアドレス、URLなどの記載
・配信停止がスムーズにできるよう、明確に「配信解除」などのボタンで導線を提示する …など
特定電子メール法に関するより詳しい情報は、下記のURLを参考にしてください。
URL:https://www.dekyo.or.jp/soudan/contents/taisaku/1-2.html
違反者には厳しい罰則が定められています。メルマガ配信の際には、法律を正しく理解して遵守しましょう。
最後に
いかがでしたか?
今回は、メルマガに関する基本知識を一通り紹介いたしました。
メルマガをこれから始める方も、既に実施されている方も、この記事が少しでも参考になれば幸いです。
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Writer. awoo Japan マーケチーム