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はじめに
「ECサイトのCVRが改善する方法がわからない」
「もっと売上を伸ばしたい」
といった悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。ECサイトを運用してサービスや商品を売るためには、CVR(コンバージョン率)を上げる必要があります。しかし、ECサイトのCVRが伸びない原因や改善策が思いつかない方も少なくありません。
そこで本記事では、ECサイトを運営する方に向けて下記2つのポイントを解説します。
・ECサイトでCVRが低い原因について
・CVRを改善するための施策について
ECサイトの運営やWebマーケティングに関わる方は、ぜひ参考にしてください。
ECサイトにおけるCVR(コンバージョン率)とは?
ECサイトにおけるCVR(コンバージョン率)とは、ユーザーの訪問やアクセスから実際の購買や目標達成に至るまでの指標です。具体的には、ECサイトへの訪問者数やPV数に対して、購買や目標達成を行ったユーザーの割合を表します。
CVRは、ECサイトの成功や効果を測るうえで重要な数値であり、ビジネスの成果を評価するために必要な指標です。CVRは下記の計算で算出できます。
「コンバージョン数÷セッション数」
仮にCVRが悪いときは、コンバージョン数やセッション数、それらの指標の質自体に問題があると考えられます。そのため、ECサイトの運営やWebマーケティング担当の方は、サイト内のCVRを指標に戦略を練らなくてはいけません。
ECサイトにおけるコンバージョン率の平均は約2%
WordStream社の調査(参照元:WordStream what’s a Good Conversion Rate?)によると、ECサイトにおける一般的なCVRは、約2%ほどです。ECサイトを運営する方の中には、CVRの平均がわからず高く見積ってしまうケースも少なくありません。
たとえば、CVRを10%や20%に設定をすると事業計画や売り上げ目標に対して想定以上にネガティブな乖離が発生する可能性があります。
そのため、ECサイトでCVRを設定する場合は、平均値を基準として戦略を考えると、その後の計画も立てやすくなるでしょう。
【業界・ジャンル別】ECサイトの平均CVR
それでは、業界・ジャンル別の平均CVRはどうでしょうか。
多くのジャンルではECサイトの平均CVRと言われる1~2%ほどの範囲になっていますが、一部のジャンルでは、CVRが高いケースもあります。
ジャンル | 平均CVR(2023年6月) | 平均CVR(20年6月) |
美術工芸品 | 4.60% | 4.48% |
ヘルスケア | 3.56% | 3.16% |
キッチン・家電用品 | 2.97% | 2.72% |
ペットケア | 2.01% | 1.47% |
スポーツ・レクリエーション | 1.72% | 1.48% |
おもちゃ・ゲーム・コレクション | 1.68% | 1.80% |
アパレル | 1.57% | 1.64% |
インテリア・ギフト | 1.49% | 1.08% |
産業用エレクトロニクス | 1.44% | 1.61% |
飲料・食料 | 1.36% | 1.63% |
車・バイク | 1.33% | 1.29% |
ベビー・子ども用品 | 0.78% | 0.83% |
参考:commerce Market Data and Ecommerce Benchmarks for the Arts and Crafts market
ここからは、一部の業界・ジャンルを抜粋して平均CVRを解説します。
美術工芸品ECサイトの平均CVR
美術工芸品ジャンルの平均CVRは4.60%です。ECサイト全体の平均CVRに比べて、非常に高い数字になっています。
理由としては、美術工芸品は一点ものが多く、「この作家の作品がほしい」「買うものがあらかじめ決まっている」という場合が多いことが考えられます。
また、同じ商品を取り扱っているECサイトも極端に少ないので、CVRが高くなる傾向にあると言えるでしょう。
美術工芸品に限らず、一点ものの商品が多いECサイトやブランド力が高い場合は、CVRは自ずと高くなると言えます。
ヘルスケアECサイトの平均CVR
ヘルスケアジャンルの平均CVRは3.56%と高めの水準です。
ヘルスケア製品は健康や美容に関わるため、効果や信頼性を確認した上で購入を検討するユーザーが多い傾向にあります。
また、一部のヘルスケア製品は定期購入を推奨することで、商品を定期購入したりリピート購入することも多く、CVRを向上させる要因となります。
キッチン・家電用品ECサイトの平均CVR
キッチン・家電用品ジャンルの平均CVRは2.97%程度です。
家電用品は、大手家電量販店のECサイトで購入するユーザーが多い傾向が見られます。
大手家電量販店のECサイトでは、知名度のあるメーカーやブランドの商品が扱われており、ユーザーは商品に対する信頼感を持ちやすくなります。
特定の商品の指名検索をするユーザーや、商品の口コミをもとに購買意欲を高めるユーザーも多いため、購入の決定がスムーズなことがCVRが高い理由のひとつです。
ファッション・アパレルECサイトの平均CVR
ファッション・アパレルジャンルの平均CVRは1.57%です。
この業界では、気に入ったブランドを指名検索して購入するようなブランド力が高いものと、より安い価格の商品が好まれるものに大きく分かれます。
美術工芸品のCVRが高いことと同様に、他のブランドと差別化された付加価値のあるブランドであれば、CVRも高くなりやすいでしょう。
反対に、靴下や部屋着など、多くのユーザーがブランドにこだわりがなく、できれば安い方が良いと思われるようなアイテムの場合は、CVRが低くなる傾向にあります。
このような要因が組み合わさって、ファッション・アパレルジャンルの平均CVRは、ECサイト全体の平均CVRの範囲内に収まっていると考えられます。
飲料・食品ECサイトの平均CVR
飲料・食品ジャンルの平均CVRは1.36%と、他のカテゴリーに比べて低い平均値となっています。
一般的に飲料・食品では、ブランドやメーカーにこだわるユーザーが少なく、商品の代替性が高いことが特徴です。どのECサイトでも同等の商品が購入できるため、より安く購入できるECサイト間を比較することが多くなります。
複数のECサイトで同じ商品が売られている場合、セールやポイント還元などによる少しの価格変動によって、購入するECサイトが変わることは珍しくありません。
このように、飲料・食品ECサイトは競争が激しく、価格の安さや使い勝手の良さが重視されてしまうため、平均CVRが低くなることが考えられます。
ベビー・子ども用品ECサイトの平均CVR
ベビー・子ども用品の平均CVRは、0.78%と非常に低い数字になっています。
ベビー・子ども用品は、子どもの成長に合わせて購入する場合がほとんどなので、使用期間が短いことが特徴です。
そのため、同じような商品であればより安いものを求めるユーザーが多く、多くのECサイトを比較して安い商品を探す傾向があります。
最近ではフリマアプリで購入するユーザーも増加しており、全体のCVRが低いジャンルのひとつです。
ECサイトでコンバージョン率が低い3つの原因
ECサイトでCVRが低い原因は下記3つがあげられます。
- 参入している市場が変化している
- 広告のターゲット層に誤りがある
- ユーザーファーストが欠けている
ECサイトを運営する中でCVRが低い数値になる場合は、上記に該当しているケースが多くあります。ECサイトのCVRを見直すためにも、3つの原因を把握しておきましょう。
1. 参入している市場が変化している
ECサイトのCVRが低いときは、市場の変化を正しく把握し、適切に対応する必要があります。市場は常に変化しており、新たな競合他社や顧客のニーズの変化などが影響を与えるからです。ECサイトのCVRが低下している場合は、まず市場トレンドや競合状況を分析すると、不足している要素が見つかる可能性が高くなります。
競合他社の新たな戦略やプロモーション手法が成功を収めているときは、自社の戦略を見直すことも必要です。顧客のニーズや傾向が変化しているときは、商品やサービスを再度評価してみましょう。
たとえば、Web広告において商品単体の紹介だけでなく、タレントやブランドアンバサダーなどの認知度のある属人性を活用したプロモーション施策がCVRに寄与する場合、その戦略も取り入れていく必要もあるでしょう。
ECサイトでCVRを高めるには、常に市場の変化を分析し、適切な対策を講じなくてはいけません。
2. 広告のターゲット層に誤りがある
広告のターゲット層に誤りがある場合もCVRを低減させる原因になります。広告を使用する際、必要としていない人に向けてPRしても、興味を持ってクリックしてくれる可能性は低いでしょう。
広告を使用してECサイトのCVRを高めるには、ターゲット層が分散しないようにターゲットを細かく設定する必要があります。
たとえば、若い女性向けのスキンケア商品を出す場合「女性を一括りにして広告」と「20代女性に絞って出す広告」のどちらの方がCVRが高くなると予想できるでしょうか。
20代女性にターゲットを絞った方が、CVRが高くなる可能性があると考えられます。広告を活用してECサイトのCVRが低い場合は、ターゲット層が適切か見直すこともひとつの手段です。
広告のターゲット層を見直す際には、下記のように分類すると詳細に分析できます。
・年齢
・性別
・趣味
・関心
・出身地
・恋人の有無
・職業
上記のように分類すれば、狙うターゲットを細分化できます。また、ターゲット層に合わせた媒体や言葉遣いを使用すれば、より効果的な広告となり、ECサイトのCVRが高められるでしょう。
3. ユーザーファーストが欠けている
ECサイトのCVRが低いときは、ユーザー視点が足りていない可能性も考えられます。自社で良いと思ったECサイトや広告が、ユーザーには響いていないケースがあります。ECサイトのCVRを上げるには、ユーザーが求めている情報や好む傾向がある視点、考え方を取り入れることが重要です。
また、ユーザーのニーズを理解するには、市場調査やアンケートでの情報収集が大切になります。調査で集めた情報をもとに、ユーザーの声や行動データを分析し、どのような問題に直面しているのかを把握する必要があります。
ユーザーファーストの視点を持ったECサイトや広告を作れば、CVRも高まるでしょう。もしECサイトのCVRが上がらない場合は、ユーザー視点で考えた戦略を何度もテストして取り組むようにしましょう。
ECサイトのコンバージョン率を改善する5つの施策
ECサイトのCVRが低い原因を把握した後は、改善するための施策を知る必要があります。CVRを改善する施策を理解していれば、設定した水準よりも下回ったときにすぐ行動できるからです。
ECサイトの運営者やWebマーケティング担当者は下記5つの改善策を把握しておきましょう。
- ターゲットを明確に絞る
- モバイル端末向けに設定する
- 購入までのハードルを下げる
- 商品レビューや事例を紹介する
- ツールを活用する
1. ターゲットを明確に絞る
ECサイトのCVRを向上させるためには、ターゲットを明確に絞る必要があります。広範なターゲット層を対象にするよりも、特定のニーズや興味を持つユーザーに焦点を絞った方が効果的だからです。
ターゲットを明確に絞るには、商品やサービスに興味を持ちそうなペルソナを設計をおすすめします。ペルソナを作るときは、下記の項目を埋めるとよりターゲットを明確にできます。
・基本情報(氏名、年齢、性別、居住地など)
・人間関係・家族構成
・職業・業種・役職・年収
・趣味・関心
・価値観・目標
・情報収集方法
競争の激しいEC市場において差別化を図るには、ターゲット層を明確に絞る必要があります。ECサイトのCVRを向上させるためにも、選定したターゲットのニーズや好みに合わせた戦略を展開しましょう。
2. モバイル端末向けに設計する
総務省の調査によると、端末別のインターネット利用率はスマートフォンが68.5%と、パソコンよりも20.4%高いと発表されています。
(参照元:総務省 第2部 情報通信分野の現状と課題)
総務省の結果から、モバイル端末からのアクセスが多いことが明らかです。そのため、ECサイトでCVRを上げるには、ユーザーがスムーズにサイトを閲覧し、購買にいたるまでのサイト設計をモバイル端末向けにする必要があります。
モバイル端末向けにサイト設計をするには下記の方法が効果的です。
・ページ読み込み速度の最適化
・ボタンのサイズ・色
・文字の大きさ・色
たとえば、ボタンのサイズは、ユーザーが見やすいように立体にしたり、大きくしたりします。文字の色は重要部分を太字にして強調すると、わかりやすく伝えられるでしょう。
このように、ユーザーが直感的に扱いやすいECサイトにすると、離脱率が低くなるのでCVRも高くなる傾向があります。
ECサイトのCVRが低くパソコン向けになっている場合は、狙うターゲット層向けの設計をするようにしましょう。
3. 購入までのハードルを下げる
ECサイトのCVRを向上させるには、購入までのハードルを下げる施策が重要です。ユーザーは、運営者が思う以上にサイト内の行動を長時間継続しづらく、少ない行動で目標を達成する傾向にあります。ユーザーが流入ページから他のページに遷移せずに
そのページ内の回遊だけで離脱する「直帰率」のデータを見ればそれは明らかです。
業種・業界別のWebサイトから離れる直帰率の平均は下記のとおりです。
業界別ECサイトの直帰率の平均
不動産 | 44.50% |
買い物 | 45.68% |
就職・教育 | 49.34% |
ビジネス・製造 | 50.59% |
美容・健康 | 55.86% |
ニュース | 57.93% |
IT関連 | 62.24% |
飲食 | 65.62% |
上記のように、ECサイトの1ページ目で離脱するユーザーの割合は高い傾向にあります。そのため、ユーザーがスムーズに商品を選択し、購入に至るための手続きを簡素化し、離脱率を下げることがポイントです。
たとえば、購入までのページ遷移数が2回と3回の場合、どちらが楽に購入できるでしょうか。2回の方が簡単に操作できるので、CVRが高くなる可能性が高くなります。
自社のECサイトで購入までのアクション数が多い場合は、ハードルを下げるように見直すようにしましょう。
4. 商品レビューや事例を紹介する
ECサイトのCVRを向上させるには、商品レビューや事例を紹介して信頼性を高める施策が重要です。ユーザーは購入する前に「本当にこの商品でいいのか?」と疑問や迷いを抱く傾向があります。特に購入するものの金額が高ければ高いほどこの購買の前に立ち止まる可能性は高くなると言えるでしょう。
実感している方も多いかもしれませんが、商品レビューや事例の紹介をすることで、実際に使用した感想や体験・意見を知れるため、商品に対する信頼感を高め、購買意欲への刺激が可能です。
しかし、商品レビューや事例を紹介するには情報収集が必要になるため、試験的に商品を試してもらったり、購入者にアンケートを取るなどユーザーと積極的にコミュニケーションを取ることが重要です。
購入者からのレビューは、製品の品質や機能、満足度などを客観的に伝える貴重な情報源です。レビューの数や質が多いほど信頼できる商品と感じる可能性が高まります。
ユーザーからの意見を取り入れ、ECサイトで商品やサービスを販売しCVRを高めるには、ツールを使用してアンケートやデジタルギフトなどの施策を実施するのが効果的です。
5. ツールを活用する
ECサイトのCVRを向上させるには、ツールの活用も重要です。ツールを活用すると、お客様アンケートや競合他社のデータを一元管理できるので、数値を見比べながら効果的にマーケティング施策を行えます。
一方、ツールを活用せず手動で行ってしまうと、時間がかかるだけでなくデータ入力に誤りが発生する可能性も考えられます。そのため、スピード感を持って具体的なマーケティング施策を行うには、ツールの活用が重要になるでしょう。
また、どの市場においても流行は常に変化し、新しい情報をキャッチしなくてはいけないため、ツールを活用した仕組化が必要です。しかし、どんなツールを利用すればいいのか悩む方も少なくありません。
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ECサイトのコンバージョン率は施策が重要
ECサイトのCVRが低い場合は、その原因を把握し適切な施策を実施する必要があります。ただし、一度の施策でCVRが改善できるとは限らないので、何度もテストして売れるための戦略を考え続けることが重要です。
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