こんにちは、awoo Japanのコンテンツ マネージャー 坂居です。
ECでの顧客体験を向上させる手段として「潜在ニーズ・顕在ニーズの把握」という言葉がよく使われます。そしてこの2つのニーズを把握するためのソリューションとして2010年代前半より、ユーザー属性・性別・閲覧履歴を基にしたターゲティング技術が発達してきました。
しかし近年ではクッキー規制や消費者のプライバシー意識の高まりに伴い、ターゲティング技術がネガティブな印象を招いてしまうシーンもあります。
今回の記事では、ターゲティングに頼らずに、ユーザーフレンドリーな手段で潜在ニーズを喚起する方法をご紹介します。
コンテンツ
限界説が囁かれる“型にはめるターゲティング手法”
2022年2月に日経新聞にECの顧客体験に関する記事が掲載されました。
足跡で見えるの? 本当の私 ネットの「おすすめ」限界説
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC14E520U2A210C2000000/?unlock=1
日本経済新聞 2022年2月27日
この記事では、クリック操作などの「ユーザーの足跡」から購買行動を予測するマーケティングに限界説が囁かれていると伝えています。
さらには、特定の行動をとったユーザーと別のユーザーのWeb行動を掛け合わせて、個人の需要を予測し商品をオススメする “協調フィルタリング” については、20%以上の消費者が参考にしていない、という消費者庁による2020年の調査データを紹介しています。
記事にもあるようにWeb行動ベースのターゲティングは、ユーザーごとの買い物体験を最適化しているようで、むしろ顧客を窮屈な気分にさせたり、ブランドそのものが嫌われる要因になっています。
また国内でもクッキー規制の影響をうけ、“協調フィルタリング” の手法で実行されるターゲティング広告や商品レコメンドなどの具体的なマーケティング施策の精度が疑問視され始めています。
潜在ニーズを広げる体験設計が必要
オムニチャネルの重要性が議論されるようになり、いまでは様々な側面を持つECサイトですが、本来のECサイトの役割は、“デジタルテクノロジーで買い物を便利に(スピーディー)にすること” です。
そして、EC事業者が取り組むべき便利な買い物体験の提供に必要なのは、ユーザーが探している商品を見つけやすくすることです。
しかし、偏ったターゲティングを続けた場合、ユーザーが求めている商品がなかなか表示されなかったり、自分の潜在ニーズとは関係のないものばかりが表示されてしまうことがあります。
そうならないためにも、ユーザーの潜在ニーズをもとに本来の買い物体験の価値である、欲しい商品や新しい商品を見つける体験をテクノロジーによって拡張することが重要です。
ハッシュタグというユーザーが慣れ親しんだ検索体験
では、商品を見つける体験を拡張させるには、具体的にどんな手段があるのでしょうか?
近年ではオンライン接客ツールが注目され、アパレル企業などを中心に導入が広がっています。中でもバニッシュ・スタンダード社が提供するSTAFF STARTのように、実際に人の手を介して、商品のコーディネートや特徴説明ができるツールもあります。
また、awoo Japanが提供する『awoo AI』も商品の検索体験を拡張することのできるソリューションです。『awoo AI』では、#ハッシュタグというユーザーが慣れ親しんだ体験を通して、潜在的に探している商品と出会えるお手伝いをします。
例えば、ユーザーは下の図のように商品特徴を表す#ハッシュタグを回遊することで、本来の購買動機にそった商品のページを見て回ることができます。
ここでは「吸水速乾のTシャツ→軽量のメガネ→防水のイヤホン」といった回遊行動からランニング用品を探しているという購買動機を発掘し、さらに「吸水速乾の靴下・軽量のバッグ・防水の時計」といった潜在ニーズの商品のレコメンドが可能になります。
このように『awoo AI』では、ユーザーのWeb行動をトラッキングすることなく、ハッシュタグを使い潜在ニーズを刺激するテキストレコメンドの技術により商品の検索性を拡張させます。
awoo TVではコメ兵、ピーチ・ジョンのECサイトでの『awoo AI』の活用方法をご紹介していますので、そちらもご覧ください。
まとめ
今回の記事では、Web行動ベースのターゲティングに変わる手法として、ハッシュタグを用いた検索体験の拡張方法を解説しました。
改正個人情報保護法の施行をうけて、具体的なクッキー対策がデジタルマーケティングに求められる中、消費者データを使用しないハッシュタグの活用がユーザーの潜在ニーズを喚起する重要な役割を果たすかもしれません。
製品資料
awoo AIはawoo Japanが提供するProduct Data Platform(PDP)です。
製品資料は下記よりダウンロードできます。